野いちごの会1(ファーストサークル) 体験レポート①「野いちごの会が大切にしていること」

シルバーウィークですね~
みなさま、楽しく過ごされているでしょうか?
私は、普段と全く変わらず、勉強と活動にいそしむ日々です。でも、活動が喜びであり、息抜きにもなっています。 work horic ならぬactivete holic?
でも、「自分の健康や生活はないがしろになっていない!」というより、より良くなっていっているので大丈夫でしょう。

さて、10月から「野いちごの会2(セカンドサークル)」が始まります!
その前に「野いちごの会1(ファーストサークル)」がどんな内容だったのかという報告を、これから3回くらいでしていきたいと思います。

4月18日(土)の説明会から始まった「野いちごの会1」

のっけからのハプニングや、これからどうなるんだろう!?というドキドキもありましたが、9月27日(日)の6回目が終われば、無事に終結します。

最後にどんでん返しがあるかもしれませんが
(ないことを祈る!)
「野いちごの会1」で行われてきたことを、ご紹介します♪

1.野いちごの会が大事にしていること

1)安全・安心

 野いちごの会は、安全・安心を最も大事にしていまます。
 それは、安心して落ち着いて過ごせる環境だったり、
 グループの中で話し合われたことはグループの中に留める約束だったり、
 自分人を大切にし、お互いがお互いを大切にし、グループを守る
 というルール作りだったりします。

中でも、環境は大事だと思っていて、それが落ち着けるお部屋かなと思います。
東京なのでなかなか部屋代は厳しいのですが、公共施設よりは、落ち着ける環境かなと思って
いつもお願いしているのがこのお部屋です。




良い感じでしょ?


「野いちごの会2」も引き続き、このお部屋を使わせてもらいます!


2)回復共同体の理論に基づいたグループづくり

 精神科医 斎藤学さんの「封印された叫び」の冒頭に

「ある人の人生とはその人の回想のことである。個々の記憶の内容が、前後関係を位置づけられて並んだものがその人の考える自分の人生であり、つまり自分自身である」と述べられています。

でも、回想するための「記憶の内容」を失うと、「普通の人」のように暮らしていてもなかなか生きづらくなると書かれています。

 私も自分の「性被害体験のある人生」を考えると、トラウマ記憶であり想起しにくく、うまく回想できないということがあったと思います。今もあります。
 ばらばらになった自分の欠片(かけら)を拾い集めて、つぎはぎの自分を作っていくような感じです。でも、つぎはぎなのでちょっとつつかれただけでも、すぐにバラバラになってしまいます。

 私のスーパーバイザーと
「生活できても克服できていない人はたくさんいる」「そういう人たちの社会復帰のためのプログラムが(どうしても)必要だと思う」

 という話をして、

 野いちごの会は 克服、とか統合とか そんな大きな目標ではなくてもいいから

 より良い人生を生きていけるという希望が持てる
 自分がよい方向に変わっていくための、きっかけになる、一歩を踏み出せる
 そんな気づきや学びを お互いに分かち合うことによって 前に進むことができる

 そんなことができるグループでありたいなと思っています。

 回復共同体は「トラウマを負った人たちが回復する場として重要」(宮地尚子「トラウマ」2013)
というのは良く知られていて、自助グループもその中に含まれているのですが

 「明確な理念」や「変化を促すための構造」、「転換とパラダイムシフト」など回復共同体の持つ7つの特徴を取り入れて

 「育ち」や「対話型学習」に
 焦点を当てたグループ運営をしていきたいと思っています。

 私は回復共同体の専門家ではないのですが、サバイバーはみんな自分自身の専門家!
 そういう専門家が集まるのだから、悩みながら試行錯誤しなら、今後もより良いグループを作っていきたいし、つくっていけるんじゃないかなと思っています。

3)グループプログラム

 気づきや学びのきっかけになるように、各界のテーマに応じたグループプログラムを設定しています。
 「野いちごの会1」では

 <1回目> 5月16日(土) バウンダリー(境界線について)
 <2回目> 6月20日(土) 感情に気づく
 <3回目> 7月20日(月) 感情を表す
 <4回目> 8月8日(土)  葛藤について
 <5回目> 8月29日(土)  修復について
   <6回目> 9月26日(土) 未来に向けて

 と、各回テーマを設けて、1回目から6回目を体験し一連の流れの中で、変化や気づきを得られるように設定しています。

内容はテーマに応じたグループワークや、アートを用いたワークで、メンバーの性格やグループの状態に合わせて考えています。
うまくいったり、反省したり、色々ですが
大体は好評です♪


 私がとってもいいな~と感じたのは第3回の「感情を表す」で、粘土を用いてやったアートワークですね。
 それぞれが「自分の感情」を粘土で表現しました。

 同じ材料、同じ指なのに、全く違うものができて、すごく面白かったです。

 写真は私の 粘土作品 です。



 私にとって、感情は水の中の泡のように、羽が生えてとんでいくもの。
 (左側の丸に羽がついているのが私が感じる感情です)

 でも、私の中に決して立ち入ってはいけない危険なものがいる場所があって、それが三角コーン
(黄色いライン)
の向こう側にいる黒い物体です。口から牙が生えていると思ってください。

 じゃあ、この中に何がいるんだろう?
 と粘土をこねこね、考えていていると、
 この中にいるのは私のハートだったんだ!
 と気付きました。
 でも、私のハートは切り刻まれて、ねじれ、歪み、血の涙を流している(黒いけれど血なんです!不合理でも、いいんです!)





 だから、「私が怖がっていた私の心の中の、黒いものは、本当は私のハートを守ってくれていたんだ!!!」

 ということに気づきました。

 私にとってはすごく大事な気づきで、
 自分でも怖いと思っている黒い心(攻撃性、憤怒、激しい感情)は自分を守る働きをしていたんだと、ストンと理解できた
 宝物になるような学びでした。

 今もそのことを想うと、「ありがとう」と黒い物体をなでなでしています。

 ほかのメンバーも、本当にそれぞれ全く違った形のものを作っていて、しかもそれを
インスタレーション(現代美術の手法で空間を構成し変化・異化させ、場所や空間全体を作品として体験させる芸術wikipedia)

 のように、「この作品はこういうことなんです」という説明と同時に、どんどんひねったり、つぶしたり、盛り上げたりする。変化させていく。
 その過程も面白かったですね。

 いつか、作品展ができるといいのかなぁ。
 作品と言うほどモノとしてのクォリティは高くないかもしれないけれど、自分の感情や自分の状態を自分で見るためにもアートはとてもよい方法だと思います。

 アートセラピーについては
 レジリエンスさんのアートセラピーグループ

や 茨城のHEARTH(ハース)

 さんでも体験できます。

というわけで、まずは第1弾として「野いちごの会」が大切にしていることをお届けしました~
回復共同体や「野いちごの会1」で実施した詳しい内容については

10月10日(土) 午後1時半~3時半 東京ウイメンズプラザ視聴覚室B
「野いちごの会説明会」
参加費:500円

でもご報告させていただきます。
被害当事者や支援者、関係者の女性を対象としています。
(どうしてもという男性等はお問合せ下さい)

参加ご希望の方は
noichigonokai@gmail.com

まで

1)お名前(ニックネーム可)
2)参加希望日
3)メールアドレス
4)お電話番号(緊急時に連絡がつくもの)

をご記入の上、ご連絡いただければと思います。

どうぞよろしくお願い致します☆


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